クロス・ヴォールト(交差曲面天井)
欧米語表記:cross vault 別称:交差ヴォールト
2つのトンネル・ヴォールトを直角に交差させた時にできる曲面天井。ヴォールト(曲面天井)は、四方のアーチの互いに向かい合う頂点をつなぐ十字形と、互いに向かい合う起拱点(アーチの最下点)を結ぶアーチの稜線から構成される。西欧のゴシック建築において、稜線部をリブ(突出した帯)として強調することによって、特異発展した技法である。イスラーム建築でも散見されるが、ゴシック建築と比べると副次的な技法にとどまる。カイロのマムルーク朝においては、アークスンクール・モスク(1346年)に大規模な実例がある。