スルターン・カーミルのマドラサ(1225年創建)
欧米語表記:Madrasa of Sultan al-Kamil アラビア語転写表記:al-Madrasa al-Kāmilīya
アイユーブ朝のサラーフ・アッディーン(サラディン)の甥で第3代スルターン・カーミルがバイナル・カスラインの北側に建設したカイロで初めての2イーワーン式のマドラサ。シーア派のファーティマ朝にとってかわったアイユーブ朝は、11世紀末からセルジューク朝で推進されたマドラサを建設し、教学の場とした。マドラサの建築形式として、ペルシアを起源とする4イーワーン式や2イーワーン式は、12世紀のダマスクスやアレッポなどに導入され、13世紀になってカイロにまでその影響が及んだ。2イーワーン式は中庭の軸上に対峙するイーワーンを配したものである。