サビール

欧米語表記:sabil (fountain) アラビア語転写表記:sabīl

公共の井戸のこと。イスタンブルではセビル。乾燥地域が多い中東・北アフリカ地域では、旅行者・巡礼者のための井戸の整備が実用面の他にも、旅人を保護するという宗教的な慈善行為からも重要視されていた。カイロのサビールの多くは、ナイル川や運河から水を運び、地下の貯水槽に貯めて利用していた。マムルーク朝期からオスマン朝期・ムハンマド・アリー朝期にかけて、有力者による寄進(ワクフ)によって多くのサビールが建設された。

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