コラム(円柱)
欧米語表記:column
円形断面の柱を指す。地中海世界においては、コラムの伝統が強く、エジプトにはファラオ時代、ヘレニズムからコプト時代まで数多くの建築にコラムが使われた。イスラーム以前にも石材の転用は行われていたが、イスラーム化以後その傾向は顕著となる。モノリス(単一部材)の円柱は、2次的利用が容易かったので、アムル・モスクやアズハル・モスクをはじめ各所に転用され、マムルーク朝後期までは、モスクは転用材の円柱で構成されたものが大半を占める状況である。通常はヘレニズム以後の円柱が転用されたが、マムルーク朝期には、意図的にファラオ時代の柱を転用することもある。柱礎や柱頭で高さを調整し、不揃いな円柱で空間が構成された。中には柱頭を柱礎としたものもあり、それぞれバラバラに使われた。