ろうそくの受け口(燭台の首の部分)
サイト内固有ID: A011
- 帰属
- アミール・キトブガー(スルターン・キトブガー)
- 場所
- エジプト
- 時代
- マムルーク朝期 1290–1293年(ヒジュラ暦690–693年)
- 素材
- 金と銀の象嵌が施された銅
- 所蔵場所
- イスラーム芸術博物館(エジプト)
- 所蔵番号
- 4463
- 所蔵館解説
- この作品は、スルターン・キトブガー(在位:ヒジュラ暦694年–696年(1294年–1296年))のものである。燭台の首は、彼の名前と称号を示す帯状の記述があり、その称号からは、作られた当時、彼はまだ即位しておらず、スルターン・アシュラフ・ハリール(在位:ヒジュラ暦690年–693年(1290年–1293年))の指揮下にいたことが分かる。また、円柱状の首の部分にテキストが彫られており、動物の図案や、鳥の頭や動物や人間の形をした文字で装飾された、素晴らしい帯になっている。人間は、頭に光輪があり、剣、槍、盾、矢、弓などの多くの武器を持ち、攻撃や防御の姿勢をとる戦士を表している。また、細かな動物や人間の形をした装飾文字によって、テキストが読みにくくなっていたが、Hassan al-Basha教授は " ودوام العز والبقاء والظفر بالأعداء " と読めるとした。燭台の底部は、アメリカのボルティモアにあるウォルターズ美術館に所蔵されている。
- 権利表示
- © Museum of Islamic Art
本サイトに掲載されているイスラーム芸術博物館所蔵品の画像は、同博物館の許諾を得て掲載しています。 - 補足解説
- ウォルターズ美術館に所蔵されている燭台底部。
- 所蔵場所
- ウォルターズ美術館
- 所蔵番号
- 54.459
- 場所
- エジプト
- 時代
- マムルーク朝期、1290年頃
- 解説
- イスラームの歴史において、スルタンやアミール、宮廷関係者は積極的な美術品の愛用者(パトロン)であった。この印象的な燭台は、1294年に即位するまでエジプトのマムルーク家の宮廷でサーキー(スルターンの食事と飲み物の責任者)を務めていたキトブガーの注文によるものである。燭台の装飾の中でも、円の中に彫られた、キトブガーの役職を象徴する紋章であるカップが特徴的である。凝ったデザインではあるが、キトブガーはこの燭台を家庭の貯蔵室やパントリーで使用していた。この台座には、現在カイロにあるネックとソケットが組み合わされ、1本の巨大なろうそくの重さに耐えられるようになっていた。
- 権利表示
- The Walters Art Museum
- URL
- https://art.thewalters.org/detail/15804/candlestick-base/