アシュラフ・ハリール廟(1288年創建)

欧米語表記:Mausoleum of al-Ashraf Khalil アラビア語転写表記:ḍarīḥ Sulṭān al-Ashraf Ṣalāḥ al-Dīn Khalīl b. al-Manṣūr Qalāwūn

スルターン・カラーウーンの息子でスルターン位を継承したアシュラフ・ハリール(在位1290-93年)が、1288年にカイロの南の墓地に建設した墓建築。南の墓地には預言者ムハンマドの係累の墓が建設され、アッバース朝から招来されたカリフの墓も1243年に建設されていた。現在、併設されたというマドラサの跡形は残っていない。正方形の墓室とキブラ軸手前の奥行きの浅い前室という構成は、近傍に位置し、先例となるファーティマ・ハトゥーン(ハリールの兄サーリフの母)廟(1283/4年創建)と類似する。マムルーク朝建築のドームには珍しいドーム周囲の8つのバットレスをもち、カラーウーンの墓室のドームの復元の際にこの様式が用いられた。

PAGETOP