スルターン・シャジャル・アッドゥッルの廟(1250年創建)

欧米語表記:Mausoleum of Sultan Shajar al-Durr アラビア語転写表記:Ḍarīḥ Shajar al-Durr

アイユーブ朝7代スルターン・サーリフの妻であり、マムルーク朝初代スルターンであるシャジャル・アッドゥッル(在位1250年)の墓建築で、夫の死後マムルーク朝の君主に3ヶ月だけ着位した。本来はマドラサ、ハンマーム、宮殿等の複合施設という記録があるが、現在は廟と後世のハンマームの遺構だけが残る。廟は正方形の部屋にドームを架けたキャノピー墓で、断面形がキール・アーチ(船底アーチ)となるドームが特徴的である。内部のミフラーブにはガラス・モザイクが用いられ、真珠の木という彼女の名前を表すかのように、金色の地に、アラベスクの植物模様の合間に真珠母貝の白い円が散りばめられている。

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