カスル・イブン・ワルダン

欧米語表記:Qasr ibn Wardan アラビア語転写表記:Qaṣr Ibn Wardān

シリアにある教会堂と城塞の遺構で、6世紀の中頃にユスティニアヌス帝の時代に、サーサーン朝との境域に創建された。ファサードは、茶灰色のレンガと黒い玄武岩(バサルト)を層状に積み重ねた大胆な縞模様となっている。軽いレンガと強い石という双方の利点を用いた構法であると同時に、アーチや梁等の色使いから、装飾的な意図も看取される。いわゆる三廊式の教会堂ではあるが、大アーチとドーム下部から身廊部分にはドームが架けられていたとされる。バシリカ式にドームを架けたタイプの教会堂の例としては、コンスタンティノープルのハギア・ソフィアがあげられる。

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