カーバ神殿

欧米語表記:The Kaaba アラビア語転写表記:al-Ka'aba 別称:カアバ

アラビア半島のメッカにあるイスラームの最も神聖な神殿。カーバとは「立方体」を意味し、石造の立方体の形をした建物になっている。「神の館(バイト・アッラー)」とも呼ばれる。イスラーム期以前から聖域とみなされており、もともとは神々の偶像が内部に祀られていたが、イスラーム勢力による征服後に全て破壊された。カーバ神殿はそれを取り囲む聖モスクの中庭中央に位置し、大理石の基盤の上に長辺12メートル、短辺10メートル、高さ15メートルの大きさであり、その四隅はほぼ東西南北を向いている。平屋根は北西に向かって緩やかな勾配があり、雨樋に続いている。北東に向かう面が正面で、地上2メートルの部分に入口が設けられている。その左端、東角の地上1.5メートルのところにアブラハムが建立を行ったときに天使が運んできたとされる、巡礼者が接吻を行う聖なる黒石がはめ込まれている。外面は黒色の一枚の絹布(キスワ)で覆われ、巡礼の期間だけその下部が巻き上げられる。

出典:『新イスラム事典』 『岩波イスラーム辞典』

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