赤色斑岩(ポーフィリー)
欧米語表記:porphyry,
古代ギリシア語で紫を意味し、目の詰まった赤紫色の赤色斑岩のことを指す。見た目は、アスワン近郊で産する赤色花崗岩の中に類似するものもあるが、目が細かく赤黒い。その産地はハルガダ近郊の東砂漠にあり、ローマ時代に掘削が進んだ。色彩の美しさゆえに古くから珍重され、レバノンのバールベック神殿に使われた柱が、ハギア・ソフィア建設の際に運ばれ、内陣部に配置されたとされている。マムルーク朝時代には、色のついた石を装飾的に配置する際に好んで使われ、その多くは転用材である。