真珠母貝(螺鈿[らでん])

欧米語表記:inlaid mother-of-pearl work

螺鈿細工とは、貝の内側の光沢層を象嵌した装飾技法を指す。美しい貝を小さく刻み、台となる素材に嵌め込み、表面を磨きだして模様を表現する。真珠を産する貝が光沢を持つことから、英語では真珠母貝細工と呼ぶ。カイロのマムルーク朝建築では、石製のミフラーブ(メッカの方角を示す建築装置)等に、細長い帯状や小さな幾何学図形に切り取った貝の破片を埋め込んだものが見られる。また、マムルーク朝初期には、ガラス・モザイクの中に、白い円形の貝殻をはめ込み、真珠を表現したものもある。象嵌の台となる素材は、石だけではなく木が象嵌の台となることもある。

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