シャディルヴァーン(滝状の噴水装置)

欧米語表記:Shadirwan アラビア語転写表記:Shādhirwān

上質なカーテンや掛け布を指すペルシア語で、中世には傾いた壁から水が流れ落ちる滝状の装置を指すようになる。実例としては、パレルモのジーザ宮殿、あるいはマムルーク朝のサビール(給水施設)や邸宅の室内に設置されたものが残る。サファヴィー朝やムガル朝インドの実例もあり、広く普及した装置である。揚水装置によって水を高い位置にあげ、そこから傾斜する板上を水が流れ下るようにし他もので、板には凹凸の模様が彫り込まれ、水が模様を描く工夫がなされる。下り降りた水は水盤に溜められ、そこには噴水(ファスキア)が設置されることが多い。

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