欧米語表記:Description de l'Égypte (Napoleon's) アラビア語転写表記:Waṣf Miṣr
ナポレオンによるエジプト侵攻時に同行していた研究者による調査報告としてまとめられ、1809年から22年にかけてフランスで出版されたもの。エジプト学の発生を促したが、その後のオリエンタリズム(東方研究)の流れやエジプトを含むアラブ地域の植民地化にも大きな影響を与えた。
欧米語表記:Crusaders アラビア語転写表記:Ḥamalāt Ṣalībīya
11世紀末から13世紀末まで断続的に行われた、西ヨーロッパ諸国による地中海東岸地域への遠征・植民活動。第1回十字軍(1096-99)では、聖地イェルサレムの奪還とシリアの地中海沿岸地域に領土を獲得することに成功した。しかし、イスラーム勢力からの反撃により徐々に領土を失っていき、1187年にはエルサレムを、1291年には最後の拠点のアッカーを失ったことで獲得した領土の全てを失った。この期間中、主にイタリア諸都市とシリア・エジプト地域との経済的・文化的交流が促進され、双方に影響を与えた。また、イスラーム勢力に対する軍事行動全般を、広義の十字軍とみなすことがある。