欧米語表記:qibla アラビア語転写表記:qibla
ムスリムが礼拝の際に向く方向、具体的にはメッカのカーバ神殿のある方角のこと。当初は、ユダヤ教徒の慣習に習い、エルサレムの神殿に向かって礼拝していたが、キブラを変更するようにとの神の啓示が下り、現在の方向に変更された。モスクの中には、キブラの方角を示すためにミフラーブという窪みが存在する。
欧米語表記:al-Quran アラビア語転写表記:al-Qur'ān 別称:コーラン
イスラームの聖典。預言者ムハンマドに下された神の啓示で、諸預言者に与えられた諸々の啓典の一つとされる。クルアーンの原義は「読まれる(誦まれる)もの」で、暗記、朗唱することが原則であったため、ムハンマドの弟子の中で、それに秀でた者が暗唱者として尊ばれた。ムハンマド没後、アラブ・ムスリムの征服活動により、暗唱者の戦没や、征服した各地でのクルアーンの伝承の異動が生じだ。このため、第3代正統カリフ・ウスマーンの時代に正典化が命じられ、書物の形で一冊の本にまとめられた。この書物の形にまとめられたクルアーンのことをムスハフと呼び、ウスマーンはこの時まとめられた公定ムスハフを標準クルアーン(ウスマーン版クルアーン)とし、それ以外の異本を廃棄させた。そのため、クルアーンには偽典や外典はないとされる。
欧米語表記:Congregational Prayer/Friday Prayer アラビア語転写表記:Ṣalāt al-Jum'a
金曜日に行われるため、金曜礼拝とも言われる。金曜のズフル(昼)に大規模なモスク(ジャーミウ/金曜モスク)へと集まり、行われる。また、礼拝に先立って説教(フトバ)が行われるが、その際に支配者の名前が呼ばれることが通例となっており、住民に支配者が誰であるのかを知らせる意味でも重要であった。
欧米語表記:burial (Islam)
埋葬は宗教上の慣習に則って行われる。まず、近親者が遺体をお湯で拭き、白い布で包む。その後、遺体は棺に入れられて運ばれ、遅くとも数日以内には埋葬される。埋葬の際には、遺体は仰向け、もしくは右脇腹を下にして、顔をメッカの方角に向けて安置する。埋葬方法は必ず土葬であり、火葬は火獄を連想させるため忌避されている。
欧米語表記:waqf アラビア語転写表記:waqf
「停止」を意味するアラビア語。イスラーム法の用語としては、所有権移転の永久停止を意味し、さらには、その所有権を停止された財から上がる利益を寄進目的のために支出する、イスラーム独自の寄進制度(ワクフ制度)のことも指す。ワクフにより、商業施設や宗教・教育施設、給水施設などが建設、運営され、都市インフラが提供された。