欧米語表記:Comité de Conservation des Monuments de l'Art Arabe アラビア語転写表記:Lajnat al-Ḥifāẓ 'alā al-Āthār al-'Arabīya
ヘディーブ・タウフィーク(在位:1879−92年)によって、1881年にエジプトにおけるコプト建築とイスラーム建築の調査、保全を目的に、宗教寄進(ワクフ)省の下部組織として設立された委員会。フランス語の名称の冒頭をとり、通称「コミテ(委員会)」で知られる。ムハンマド・アリー以降の近代化施策の中で、首都カイロにおいてもヨーロッパをモデルとした街並みへと再開発が行われる中で、破壊と遺棄にさらされた前近代の歴史的建造物の保全をその目的とした。エジプト国内全ての歴史的なコプトおよびイスラーム建築のリスト化と状況の査定が行われ、保存、修復、または解体して博物館での部分的な保存が行われた。のちに1936年には教育省の管轄下に入り、1961年にはその役割をおえて解散した。その役割と権限は、エジプト考古最高評議会(Supreme Council of Antiquities)の下部組織である、イスラム・コプト歴史建造物最高評議会(Permanent Committee for Islamic and Coptic Monuments)が担い、2011年に発足したエジプト考古省の管轄下となった。